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計測 ノウハウ

モーキャプなら静的試験計測が3次元で可能!計測のしくみを知る

2022.10.21


【基礎知識】モーキャプを使った計測のしくみ

ここでいうモーキャプとは、光学式モーションキャプチャシステム「OptiTrack」で行う計測を指します。
OptiTrackは、人・モノに貼りつけたマーカーの位置を、正しく測るシステムです。



モーキャプを使った計測のしくみは、まず、複数台のカメラを設置し、計測空間を構築することからはじまります。
計測空間とは、カメラが捉えられる範囲(撮像範囲)のことで、この範囲内であれば、人やモノの動きが計測可能です。
計測をするには、動きを計測したい点にマーカーを貼りつけます。設置した複数台のカメラはこのマーカーの位置座標を3次元的に取得し、計測点の動きを最大1,000Hz(1秒間に1,000回)で計測します。


3次元で計測できる理由は、次の通りです。



基本的にカメラ1台では平面でしか、モノを撮影することはできません。X軸とY軸の位置関係はわかっても、Z軸の奥行の動きはわからず、カメラに近づいているのか、遠ざかっているのか、計測できません。
複数台のカメラを用いるのは、各カメラから見えるマーカーのX軸・Y軸の平面の位置情報と、各カメラの角度や位置情報を組み合わせ、システム内で演算をして、Z軸の奥行情報を算出し、3次元でマーカーの位置が取得できるためです。
つまり、モーションキャプチャシステム「OptiTrack」を用いれば、3次元で計測点の動きが計測できることになります。



モーキャプを使って静的試験を行うメリット


モーションキャプチャシステム「OptiTrack」を用いて、静的試験を行うメリットは、大きく分けて3点あります。


・準備~解析までの大幅な工数低減 (低減効果 65%減 の実績あり)
・3次元で100点以上の計測が同時に可能
・モーションキャプチャシステム「OptiTrack」なら0.1mm以下の高精度で計測可能


静的試験を行うにあたって、変位計やひずみゲージなど、1軸のみの計測に対応した計測器を用いている現場は多くあります。
しかしこのとき、3次元で計測を行うためには、軸方向に注意をし、計測器の設置場所を決め、やぐら建てを行い、一点ずつ計測器を設置していくことになります。
準備には何時間もかかり、計測は翌日に持ち越すこともあります。


その点、OptiTrackを用いた静的試験の準備では、カメラを設置し、マーカーを任意で貼りつけるだけと、非常に簡易です。軸方向を気にする必要はなく、カメラの撮像範囲内にマーカーが認識できていれば、すぐにでも計測に移ることができます。マーカーの数に制限もありません。


さらに、OptiTrackは校正具でトレーサビリティが担保された0.1m以下の高精度で計測が可能な、新たな3次元変位計測器です。これは、座標測定機の国際規格であるISO10360を参考に、国家計量標準機関として、計量標準および関連した計測技術の開発を行う産業技術総合研究所 計量標準総合センターから技術支援を受け、精度検証を実施した結果であり、信頼性の高い計測器といえます。
参考:【プレスリリース】モーションキャプチャシステムOptiTrackの計測精度を公開



モーキャプを使って静的試験を行うデメリット


モーションキャプチャシステム「OptiTrack」を用いて、静的試験を行う場合のデメリットが、1点あります。
それは、通常、OptiTrackは20Hz~最大1,000Hzの高サンプリングの計測に対応しているということ。
低サンプリングの計測が必要となる静的試験には不向きといえます。
ただ、このデメリットを解消し、OptiTrackによる静的試験のメリットを最大化するソフトウェアがあります。
静的試験計測ソフトウェア「SKYCOM LOGGER」は静的試験専用の、OptiTrackに連携が可能なソフトウェアです。



最大1,000Hzのモーキャプで静的試験計測を行うためのソフトウェア


OptiTrackの計測は、通常20Hz~1,000Hzを対象としています。つまり、最小でも、1秒間に20回分の3次元座標データを取得することになります。
しかし、静的試験計測となると、1秒ごとの計測データの取得は必要としません。この点でいえば、OptiTrackだけで、静的試験計測を行うには、データ量が重くなってしまうため、不向きとなります。
そこでOptiTrackのデータを、静的試験に適した低サンプリングで取得できるソフトウェア「SKYCOM LOGGER」と連携します。
これにより、静的試験に必要なデータ量のみを取得でき、かつ、3次元で計測ができるようになります。


通常、高サンプリングでの計測に対応しているモーキャプで、静的試験計測が行えるのは、OptiTrackに連携対応しているソフトウェア「SKYCOM LOGGER」を用いるためです。



静的試験計測ソフトウェア「SKYCOM LOGGER」の機能紹介


静的試験計測ソフトウェア「SKYCOM LOGGER」の機能は下記となります。
すでにお使いのデータロガーとの連携や自動バックアップ、ラベル継続、計算式設定、計測結果のグラフ表示が可能なほか、様々な機能が搭載されています。




ワークフローや機能一覧など SKYCOM LOGGERの詳細を見る


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