モーションキャプチャのカメラは、人の目で見ることができない赤外線を発光するストロボライトが内蔵されています。マーカーが、そのストロボの光を反射することで、カメラがマーカーの位置を認識します。
一般的にマーカーは、受けた光を直線で反射させる塗料(再帰性反射材)の塗られた反射マーカーが使われます。通常、光の反射はあらゆる方向に分散され、光源に到達する光量は小さくなります(乱反射)。一方、再帰性反射の特徴は、入射する光源の方向にのみ光を返すため、強い光量が保たれます。
カメラは、赤外線の光のみ抽出できる仕組みを持っているため、マーカーだけが動いている映像が取得されます。さらに、カメラ内部には画像処理を行うエンジンが搭載されており、その映像をデータ化(マーカーの位置座標計算)し、パソコンへ送ります。
一般的には、前述の再帰性反射材の塗られた反射マーカーが使用されますが、キャプチャする環境や対象により、自発光マーカーも使われます。
反射塗料の塗られた球体のもので、最も多く利用されているタイプです。空間のどこの位置にあるカメラから見ても円形に見えるため、安定した計測を行うことができます。大きさは標準品で3mmから200mmまであり、計測対象や計測空間によって選べます。
<反射型平面シートタイプ>
反射塗料がシートに塗られた平面タイプのマーカーです。主に、顔の表情や機械の振動、ゴム等の素材の変化等、平面上の動きのキャプチャに向いています。シミュレーションソフトとの比較等にも用いられます。
<自発光型球体タイプ>
赤外光を発光するタイプの球体マーカーです。キャプチャボリュームに光を反射するものが多い場合やLED非搭載タイプのカメラでキャプチャする際に用いられます。マーカーが自身が発光し、有線タイプと無線タイプがあります。
<自発光型平面タイプ>
赤外光を発光するタイプの平面マーカーです。ロボット制御や工業計測を行う際、湿度の高い場所や油が飛散する場所での計測に用いられます。油分が付着しても簡単に拭き去ることができます。
マーカーの大きさは、カメラの画角(1台で捉える空間の大きさ)と解像度で決まります。カメラで正確にマーカーを認識するには、最低で直径3画素程度の大きさが必要です。例えば3mの視野に対し1,000×1,000画素(1メガ)のカメラを用いてデータを取得する際、1画素=3mmとなる為、3画素=9mmのマーカーが必要になります。
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