現在の状態(角度、角速度)と角加速度が与えられたときに、それに必要な関節トルクを求める計算を逆動力学と呼びます。逆動力学計算では、3次元座標・質量・慣性モーメント等の値を使い、力やトルク等を推定する計算を行います。この計算では、モーションキャプチャ等を使い3次元位置情報を取得、加速度や角加速度を計算します。さらに、床反力計(フォースプレート)等で外力を取得します。従来の画像計測では、計算に十分な精度を得る事ができずこの逆動力学計算が比較的困難でした。バイオメカニクス等におけるモーションキャプチャを利用する利点の1つとして、加速度の計算などの実用に耐えうるほどの高精度な(0.1mm以下でノイズの少ない)位置を計測できる事が挙げられます。
逆動力学解析をするためには、まず身体運動をしている際の運動学データ(モーションキャプチャ等で計測 )と、床反力データ(フォースプレート等で計測)を取得します。これらのデータから身体の各関節に作用する関節トルク(関節モーメント)や、筋肉が各関節で発揮または吸収する関節パワー(力学的エネルギーの時間変化率)を計算します。ここで計算する関節トルク(関節モーメント)は、各関節に作用する回転の力(モーメント)で、筋肉が発揮した力に依存して変化します。また、関節パワーは筋肉が行った仕事の時間微分で、各関節で生成、または吸収した単位時間あたりに変化するエネルギーに相当します。
モーションキャプチャシステムOptiTrackで運動学データを計測し、解析ソフトウェアSKYCOM: Body Advanced オプションで簡単に逆動力学解析が可能です。OptiTrack制御ソフトウェアMotiveでキャプチャする際、全身モデルまたは下半身モデルで骨格を定義し、運動学データを取得します。また、左右それぞれの床反力データの取得にはフォースプレートを使用します。弊社ではテック技販社製、AMTI社製、ベルテック社製のフォースプレートに対応しています。OptiTrackとフォースプレートより取得したデータは、SKYCOM: Body Advancedオプションで逆動力学解析を行います。SKYCOMでは年齢・身長・体重を入力し、必要な計測データを取り込むだけで非常に正確な逆動力学解析を行う事ができます。全身モデルの場合は17関節の3軸方向(伸展屈曲、内外転、回旋)、下半身モデルの場合は6関節の3軸方向(伸展屈曲、内外転、回旋)を計算します。
【SKYCOMの逆動力学解析の解析項目と特徴】
関節パワー
関節トルク(関節モーメント)
関節角度(運動学)
身体重心
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