はじめにお伝えしたいのは、「AIは、なんでもできる魔法の道具ではない」ということです。
だからこそ、AIで解決できるものなのか、はたまた、AIではない別の方法での解決が最善策となるのか、見極める必要があります。
そのために必要な事前準備が「課題を明らかにする」こと。
課題が曖昧なまま、「とにかくAIを導入すれば自動化できる」とAI外観検査を発注してしまうと、プロジェクトが進むにつれて、新たな課題や最初に明言できていなかった課題が明らかになり、開発中のシステムの納期が遅れることや、最悪の場合、開発予算が増え、一から作り直しとなってしまうことがあります。
これはAI外観検査における、よくある失敗例です。
そうならないためにも、なにが課題なのか、AIの導入でなにを希望するのか、現状と理想の姿を明確にする必要があります。
AIは、なんでもできる魔法の道具ではありません。AIによる外観検査は場合によって失敗します。そうならないためにも、成功率を上げるポイントは「課題を明らかにする」ことです。
基本的に、AIによる外観検査は、人の目で見て判断できるものであれば、AIでも判断できるといえます。
ただし、AIに判断させるためには、対象の良品状態・不良品状態を種類ごとに分けて、学習をさせる必要があります。
AIは画像データを読み込み、学習することで、対象の良品・不良品の判断を行います。
このとき、学習する画像データに不備があれば、AIは正確に判断ができません。となると、AIの導入で大切なのは、学習させる画像データ。つまり、撮影のためのカメラと照明環境です。
AI外観検査の事前準備で知りたいこと
(1) 検査対象は、どのようなものですか?
(2) 検査対象の不良はどこで発生し、システム化したい対象範囲はどの部分ですか?
(3) 検査対象の不良には、どのような種類・大きさがありますか?
もし、検査対象が真っ黒なもので、検査項目が、黒で印字されているものが正確に印字できているか、であれば、印字の黒部分をはっきりと露出させるカメラや照明環境が必要となります。
もし、検査対象がネジで、一つずつ搬送機で流れてくるのではなく、一度に大量に流れてくる中での検査となれば、広い視野を持つカメラや環境づくりが必要となります。
これらの情報が事前に明確になっていれば、最初から最善なカメラや環境の選定ができ、システム開発も順調に進むでしょう。
反対に、これらの情報が後出しになればなるほど、システム開発は一からやり直しとなってしまいます。
AI導入の一番の目的は自動化によるコスト削減が多いでしょう。
現在の作業人数や頻度、作業時間、正確性によって発生するコスト。それらを解消するために、AI導入を考えていらっしゃる場合、知りたいのは予算のことかと思います。
AI導入にかかる予算は、現在のコストとどれほど違うのか。導入検討の上では重要な問題です。
最初に現在のコストを明確にしていなければ、AI導入の予算の方が高いのかどうかも判断がつきません。さらに、導入後の浮いた予算をどう活用していくのかも見えてこないため、これは必ず事前に明確にしておくべきことになります。
AI外観検査の事前準備で知りたいこと
(4) 現在の目視検査に携わっている作業員は何名ですか?
(5) 年・月・日に何度の頻度で行うものですか?
(6) 1個・100個・1,000個あたりの検査でかかる時間はどれくらいですか?
(7) 目視検査による正確性とヒューマンエラーの発生率はどれくらいですか?
これらの情報をもとに、現在のコストを割り出し、AI導入との予算比較を行います。
パッケージとして販売されていない、一から開発が必要なAI外観検査では、提示された予算が適正かどうか、なかなか判断はつきません。だからこそ現在のコストから、納得できるものかどうか、考えるためにも、これらの情報は発注段階で必要となります。
AIによる外観検査の発注において、事前に準備しておきたいのは、「検査対象について」「検査体制について」だけではありません。
AI導入によって、現場をどうしたいのか。理想像がなければ、導入後「なんだか思っていたのと違う」という事態になりかねません。
AI外観検査の事前準備で知りたいこと
(8) AI導入後、システムを使う人は明確ですか?(工場オペレータ・設備管理部門・研究開発部門・その他)
(9) AI導入後、どの程度の正確性を求めますか? または不良の種類ごとに判定率の優先順位を設けるならどうなりますか?
(10)AI導入後、検査結果の使用目的は明確ですか?(表示・記録・外部機器制御・その他)
一からシステム開発を行うAI外観検査の場合、理想像があるからこそ、ゴールが見え、ご要望通りのシステムが完成します。
AI外観検査の事前準備で、明確にしておきたいことは下記の通りです。
(1) 検査対象は、どのようなものですか?
(2) 検査対象の不良はどこで発生し、システム化したい対象範囲はどの部分ですか?
(3) 検査対象の不良には、どのような種類・大きさがありますか?
(4) 現在の目視検査に携わっている作業員は何名ですか?
(5) 年・月・日に何度の頻度で行うものですか?
(6) 1個・100個・1,000個あたりの検査でかかる時間はどれくらいですか?
(7) 目視検査による正確性とヒューマンエラーの発生率はどれくらいですか?
(8) AI導入後、システムを使う人は明確ですか?(工場オペレータ・設備管理部門・研究開発部門・その他)
(9) AI導入後、どの程度の正確性を求めますか? または不良の種類ごとに判定率の優先順位を設けるならどうなりますか?
(10)AI導入後、検査結果の使用目的は明確ですか?(表示・記録・外部機器制御・その他)
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